今回はブリヂストンの銘柄分析をしたいと思います。
ブリヂストンとは


株式会社ブリヂストン(英: Bridgestone Corporation)は、日本の東京都中央区に本社を置く世界最大手[1] のタイヤメーカー。2005年(平成17年)、フランスのミシュラン社を抜き世界シェアトップとなる。タイヤ業界のビッグ3とも呼ばれる。(Wikipediaより引用)


ブリヂストンの事業紹介

これが主となる事業ですね。ブリヂストンは殆どの利益をこの事業から得ています。
乗用車やトラック・バス、建築・鉱山用、二輪車用など様々な車両のタイヤを製造、販売しています。
また自動車整備や補修、タイヤ関連商品の販売なども行っています。

コロナの影響で外出が減っているため乗用車タイヤの交換頻度は下がると考えられます。また産業用についても同じく需要が減少するため今後はしばらく厳しい時期が続くのではないかと思います。
多角化事業
タイヤ事業から派生した事業などです。最近では殆ど利益を上げられていません。
化工品
自動車関連部品や電子精密部品の製造販売をしています。
BSAM多角化

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上の画像のような屋根材の製造、販売を行っています。


スポーツ用品

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とても意外ですがゴルフボールやゴルフクラブなどの製造、販売を行っています。
自転車
自転車や自転車関連商品を製造、販売しています。製造しているのは主に通学などに使われるママチャリです。
ブリヂストンの業績
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売上高の推移
売上高は順調とは言い難い推移です。特に2020年はコロナの影響をもろに受けたために2Q時点で昨年の⅓強しか稼げていません。
車は濃厚接触の機会が少ないために他の移動手段よりもコロナ下でも使われやすいですが、都市のロックダウンなどで外出機会自体が減少したのが相当な痛手のようです。


営業利益と営業利益率の推移

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営業利益、営業利益率共に2015年から下落傾向にあります。2020年2Qでは営業利益率は大きくは下がっていないのでタイヤ市場内での競争力は落ちていないと考えられます。


売上高と営業利益の成長率

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2010年代前半に比べて成長率はかなり鈍化しています。売上は1桁台ですが成長しています。営業利益は先ほどのグラフからも読み取れますが微増、もしくは減少となっています。


営業利益の増減要因

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過去最高の営業利益が出ていた2015年から2019年にかけての営業利益の増減要因です。まず増益要因となっているのは数量です。タイヤ市場で新興企業が成長している中でも健闘したようです。
一方で主として為替が円高に傾いていること、原材料価格の上昇、営業費の増加によって減益幅が大きくなっています。
売値も増加要因に見えますが原材料価格の上昇などを勘案すると十分な売値良化ができているとは思えないので増加要因としては考えていません。


当期利益

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特になし!


地域別業績
売上高

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地域別で売上高でみると日本、アメリカ州の売上の割合が大きくなっています。しかし今後はこの二市場ではなく中国・アジア太平洋やアフリカ州で売上が伸びていくと考えられます。(アフリカ州はしばらく先になりそうですけどね)


営業利益

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地域別売上高のグラフと違って日本、アメリカ州の割合が大きくなり、欧州などの地域の割合が小さくなっています。欧州で営業利益率が低い要因は世界二位のタイヤメーカーであるミシュランとの競争が激しいことなどがあげられます。


配当と配当性向の推移

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2018年までは順調に増配していましたが2019年に増配は
途絶えてしまいました。
またグラフにはありませんが2020年はコロナの影響で中間配当は80円→50円へ減配されています。期末配当は未定とされているので今後コロナが再拡大するようなことがあればさらなる減配の可能性もあります。
配当性向は増配に合わせて徐々に上昇していました。まあ利益が伸びていない中での増配だったので仕方ないですね。
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増配率の推移
2010年代の増配率は非常に高かったですが後半になって失速、2019年には0%になってしまいました。
業績がコロナ以前に回復するまで増配する可能性は低そうです。

株主優待
株主優待はありません。配当金で株主還元する方針のようです。


最後に


強み
技術力が高い
タイヤは同じメーカのものを使い続けることがとても多い→世界トップシェアを誇るブリヂストンのタイヤが一番使われやすい


課題
以前に比べ高コスト・高経費体質になっている。
原材料価格の上昇やインフレの上昇に対して売値の上げ幅が小さい


国内
ブリヂストンの国内市場についての課題は市場が縮小傾向にあるという事です。これはブリヂストンでは対策できることではないので、一つ当たりの付加価値を大きくするしかありません。


海外
欧州ではミシュラン、アジアなどでは新興タイヤ企業との競争が激しい